経理

現金売上の管理方法(基本)

日々現金での売上が発生する事業者の方にとっては、現金売上の管理は最も重要なところです。

売上のために事業を営んでいるわけですから、その量をきちんと把握して安全なところ(預金口座)に移すまでは気を抜けません。税務調査においても必ずチェックされますし、きちんと管理されていないと横領や盗難の危険性もあります。

当記事では現金売上について、現金そのものと書類の整理の基本的な方法を紹介します。

支払いはレジから行わない

まず、レジでは売上金のみを取り扱いましょう。

仕入れや経費の支払いについては、別途小口現金を設けるなり社長が立て替えるなりして、レジとは別のところから行っていきます。

レジから支払いをすると、残高を合わせるのが大変になって手間が増えてしまいます。

決まった額の釣り銭を用意しておく方法(基本)

一般的には、釣り銭準備金として予め決めた金額を決めた金種で入れておきます。

【釣銭準備金】

5,000円札  4枚

1,000円札  50枚

500円玉   20枚

100円玉   150枚

50円玉     50枚

10円玉     200枚

5円玉     50枚

1円玉     250枚

計 10万円

みたいな感じです。

店を閉めたときのレジ内のお金が25万円だったら、そこから翌日の釣銭用の10万円を上記の金種で用意して、15万円は預金口座へ預け入れします。

売上に関する資料(レジの締めデータや売上伝票等)と実際の現金残高とを照合して、合わない場合には間違いがないか確認して、調べても分からないときは現金過不足としてレジペーパー等に記載しておきます。

(例)レジペーパー上の本日の売上高は150,210円だがレジ内には釣銭準備金と合わせて250,000円しかなかった。原因は不明。

・レジペーパーに「マイナス210円」と記載しておき、150,000円を預金口座へ預け入れします。

口座へ預け入れするのは必ず「実際にある現金」です。理論上の金額を預け入れしてはいけません。

上記の例でいうと、理論上の売上金額「150,210円」を預け入れしてしまうと99,790円しか残らないことになってしまいます。

お釣りの渡し間違い等はたまにありえることですし、税務調査官も現金過不足はある程度ある方がむしろ自然なことと考えているようです。

きちんと管理して間違いのないように注意しつつも、原因不明の過不足があった場合には堂々と過不足を計上しましょう。

 

翌日の釣銭を用意するときに都合よく決められた金種が揃うとは限らないので、釣銭準備金セットを2つ3つ用意しておきます。

※防犯のため、釣銭用の現金は金庫等の安全なところにおいておき、翌日の開店前にレジに入れましょう。

 

レジペーパー(その日の締め)や売上伝票等は売上の証拠書類として保管しておき、定期的に会計ソフトへの入力を行っていきます。

 

随分前のことですが、現金の不足があった場合に従業員に補填させている方がいました。

これはもう最悪で、僅かな金額のために従業員の心証を大きく損ないます。

繰り返しになりますが、たまに過不足があるのはおかしなことではありませんので、あまりガチガチに考えすぎないことをおすすめします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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