先日税理士試験が終わりました。
9月からは来年の試験に向けた勉強が始まるわけですが、税理士試験が終わって勉強が始まるまでのこのタイミングで就職活動や転職活動をされる方も多くいらっしゃいます。
8月の試験終了後と12月の合格発表後に多くの方が動きますので、それを見越して多くの税理士事務所がこれらの時期に求人を出します。
私自身も12年前の8月に転職活動をして、税理士事務所に就職しました。
その時良い事務所に入れたおかげで税理士になることができたと思いますので、税理士試験に合格するために就職活動(転職活動)でどのようなことに気をつけるべきか、私なりに考えることをお話ししたいと思います。
勉強時間が確保できる事務所を選ぶ
税理士試験に合格するためには、やはり相当の勉強時間を確保する必要があります。
そのためには、残業の少ない所謂ホワイト事務所を選ぶことが大変重要です。
当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、案外それができている方は少ない印象です。最初に勤務した事務所での刷り込みで「会計事務所とはそういうもの(ブラック)」と思われているのか現状維持バイアスなのか分かりませんが、現在の環境に甘んじている方が多いように思います。
税理士になりたいなら、今の環境を嘆くよりも良い環境に身を置く努力をしましょう。
まず勉強に充てることのできる時間を確保して、あとは自分のモチベーションを上げてその確保した時間のうちなるべく多く(100%に近く)の時間を勉強に充てることが必要です。なので、毎日9時まで、繁忙期は日付が変わるまでみたいな事務所に勤務していると合格可能性がほとんどなくなってしまいます。
極稀にブラック事務所で働きながら短期間で合格した猛者もいらっしゃいますが、凡人の私にはそれは無理でした。社会人受験生にとって、残業の少ない事務所で働くことは合格の必須条件と言っても過言ではないでしょう。
どうやって勉強できる事務所を見つけるか
では、どのようにして残業が少なく勉強できる事務所を見つければ良いでしょうか。
私が考えることが3つありますので、それをこれからお話ししていきます。
できるだけ多くの事務所を見る
まず単純に数撃ちゃ当たるというお話しです。
ある程度の都市ですと、検索してみると案外税理士事務所というのはたくさんあるものです。その中で求人を出しているところに限定しても全部回りきれないくらいの数があります。
8月と12月には多くの事務所が求人を出しますので、様々な媒体で探して、できれば面接で事務所の雰囲気等を確かめるといったことを数多く経験すると良いでしょう。
ちなみに、12年前の私が求人情報を探した媒体は以下の通りです。
- 専門学校の合同説明会
- ハローワーク
- Google検索
- 人材ドラフト
- 求人情報誌
5つ程面接を受けて、ハローワークで見つけた事務所に就職しました。ハローワークの求人は評判があまり芳しくないようですが、私の場合は良いところを見つけることができました。
良さげなところが見つかったのでそこで終わりにしましたが、見つからなければもっと探すつもりでした。
後の話にもつながりますが、数多く見たり話したりすることで見る目が養われていくと思いますので、そういう意味でも多くの事務所を見ることをおすすめします。
単刀直入に聞く
残業・試験休み
これは面接時の話ですが、単刀直入に税理士試験に合格したい旨を伝え、残業がどの程度あるかと試験休み(有休)について聞いておきたいところです。
このようなことを聞くと、「もっと責任を持って仕事にあたらないといけない」とか辛辣なことを言われることもあるかもしれませんが、そのような事務所は受験生には合っていないので、それが分かって良かったとポジティブに捉えましょう。聞きたいことを遠慮して、合ってない事務所に就職してしまう方が不幸です。
「定時の中でしっかり働いてくれればいいですよ、応援します」という事務所はありますので、自分の希望をはっきりと伝えることです。
私が就職した事務所の面接では、「繁忙期以外ほとんど残業はなく、試験休みは当日含め7日」とご返答いただき、雰囲気的に本当っぽいと感じたので、大丈夫と判断しました。(実際その通りでした。)
過去の実績
もう一つ聞いておきたいこととしては、その事務所で過去に合格者がどれくらいいるかです。
単に過去の合格者を聞くのではなく、具体的に在職中に何科目取って合格したのかを聞いた方が良いです。
というのも、話を盛ったり嘘をついたりすることがあるからです。
例えば、4科目持ってる状態で入った人がそこに在職中に最後の1科目を取ったことを、さもそこで全部取ったかのように話すかもしれませんし、退職後何年も経ってから合格したのを聞きつけて「うちの事務所から合格者が出た」と言っていた人も実際にいました。
給料は我慢する
就労条件には賃金・労働時間・休日などありますが、労働時間と休日を重視する分給料は安くても我慢しなければいけないと思います。
生活費と勉強代が捻出できれば十分で、貯金などは税理士になってからした方が効率良いです。
従業員と雇用主は等価交換の間柄なので、あれもこれもと求めていてはそもそも雇ってもらうことが難しくなってしまいます。
ただ、まともな感覚の事務所で一生懸命働いていれば結局給料も上がっていくのかなと思います。