MFクラウド

その使い方、クラウド会計のメリットありません。

クラウド会計のテスト使用を始めて3週間ほど経ちました。

感想としては、うまく使えば会計の手間を減らすことができそうですし、思ったよりも使いやすいと思います(私が使っているのはMFのみ)。

一方で、中には「そのやり方だとクラウド会計使ってる意味ないんじゃないの?」と言いたくなるような使い方をされている方もちらほらいらっしゃるようです。

クラウド会計を導入しただけで経理が楽になるものではありません。

本記事では、クラウド会計の無意味な使い方をお伝えしますので、こういうところに注意して経理業務の改善につなげていただければと思います。

1.現金払いの領収書がたくさんある

クラウド会計の肝は連携にあります。クラウド会計を使うのであれば、クレジットカードや交通ICカード等を使って経費の支払いをし、なるべく連携サービスから自動仕訳を作成するようにしましょう。

(※交通ICカードは利用履歴がたくさん残りませんので、こまめに取り込むことが必要です。たとえば、nimocaですと過去2ヶ月分しか利用履歴が残らないので、毎月経理することをおすすめします。)

クラウド会計は手入力には弱いので、現金派ならその時点でクラウド会計をおすすめしません。毎日仕入れをする商店街のお店が現金のみといった場合も同様です。

2.経理業務全般を見直さない

多くの事業者が誤解されていますが、会計ソフトで帳簿を作成することだけが経理ではありません。

それよりも大事な基本は、領収書や請求書等の資料をきちんと整理することです。

資料がグチャグチャな状態では何のソフトを使っても同じなので、そういう方はそもそもクラウド会計云々ではなく整理から頑張りましょう。経理部に配属された新人も整理から練習させられるそうです。

整理ができている方であっても、クラウド会計導入にあたって経理業務全般を見直していきましょう。

  • 現金払いからカード払いに変える
  • ネットバンクを導入して、ネットバンク口座に引落等を集中させる
  • カード払いの領収書を引落明細につけるのではなく支払い時の領収書として整理する
  • 請求業務や給与計算も同サービスで行い連携させる

これらは一例ですが、クラウド会計を導入して会計だけを変えるのではなく、経理業務全般を見直し、変えるべきところは変えていかなければ効率化しません。

3.AIを過信している

「なんかようわからんけどAIがうまいことやってくれるんやろ」と思っている方は要注意。無茶苦茶な帳簿になっている可能性大です。

クラウド会計は自動で仕訳を作成するわけですから、最初に「こういうときはこうするんだよ」という指示をきちんと与えてあげないといけません。それをきちんとしないと間違った仕訳が延々と入力されていきますので、酷いことになります。

インストール型よりもクラウド会計の方が初期設定の重要性が高いのです。

何もしなくてもAIがいい感じにやってくれるというわけではなく、AIに適切な指示を与えれば後は自動でやってくれるということです。

すごく簡単な例を一つ。

スーパーで買物をしてカードで支払いをしたとします。AIは「仕入高」で仕訳しようとしています。うちは事務所で、スーパーで買うのは文具なので「消耗品費」と設定します。すると、次回からは「消耗品費」で仕訳を作成してきます。

こんな感じです。実際にはもう少し複雑な設定も必要です。

そもそもこういうのってAIなんでしょうか?エーアイエーアイって言いますけど、AIが何だかきちんと説明できますか?私はできません。

「知識がなくてもAIがやってくれるから大丈夫」なんて真に受けないでくださいね。

4.定期的に経理をしない

確定申告期限間近の日にサーバーが落ちたことがありました。サーバーが落ちるということは、多くの方が使っていることが予想されます。

このような使い方をしていては意味がありません。

1年分まとめてやるくらいならインストール型で頑張って手入力した方が良いでしょう。

データを連携させてタイムリーに数字をつかむことがしやすいのもクラウド会計の利点ですので、しっかりと毎月経理をしていきましょう。その方がトータルの手間は少ないはずです。

5.クラウド会計なら税理士はいらないと思っている

これまであげたものと重なりますが、クラウド会計を導入すれば良いというものではなく、初期設定をきっちりやっていく必要があります。

自分で初期設定することに自信がなければ、税理士にやってもらうことをおすすめします。

私は「絶対税理士つけないといけませんよ」と言っているわけではなく、自分でできるのであれば、それは大変結構なことだと考えています。

ただし、自分でできる方はクラウド会計でなくてもできますので、クラウド会計によって税理士がいらなくなるわけではないということです。