国税出身の税理士も数多くいらっしゃいますが、近年は国税庁側も民間出身者を積極的に採用しており、「国税庁経験者採用試験(国税調査官級)」という社会人経験者向けの試験が毎年行われています。
受験資格
試験年度の4月1日において、大学等(短期大学を除く。)を卒業した日又は大学院の課程等を修了した日のうち最も古い日から起算して8年を経過した者
令和3年度受付期間
8月2日(月)9:00~8月16日(月)[受信有効]
第1次試験日 10月3日(日)
給与
「社会人経験者の初任給(採用時の俸給月額)は、採用者の経験年数と同程度の経験年数を有する国税専門官採用試験により採用された職員が受ける俸給月額との均衡を考慮して決定します。」
とのことです。
標準的な俸給月額は次のとおりです。
経験年数 | 標準的な俸給月額 |
---|---|
8年 | 279,500円(335,400円) |
13年 | 320,300円(384,360円) |
18年 | 349,100円(418,920円) |
※()内は東京特別区勤務の場合で、2割増しになるようです。
これに加えてボーナスが約4.45月分とのことなので、社会人経験8年の方の初年度の年収としては、東京以外の勤務で残業等を考慮しないとすると、
279,500×16.45=4,597,775円
となるのでしょうか。
リーフレット等
経験者採用試験に関して詳しく知りたい方は下記のホームページからリーフレット等をご覧ください。
会計事務所と比べてどうか
上記の計算では年収約460万円と計算されたわけですが、資料を見るとさすが公務員といった感じで、扶養手当や住居手当などもあるようですので、社会人経験8年で初年度から500万円超えというのもそんなに珍しくないように思われます。東京ならもっといきます。
しかも、勤務時間は1日7時間45分で、土日祝日は休み、プラス年休もあり。
こんな勤務条件の会計事務所が果たしてどれだけ存在するのか。。。
確定申告時期は翌日になってから帰るのが当たり前、土日祝日も関係なし、残業代?なにそれ美味しいの?みたいな事務所もそこまで珍しくありません。
私個人の考えですが、資格を取って独立しないのであれば、会計事務所よりは他業種で働いたほうが良いと思っていますので、税理士試験を諦めた会計事務所勤務の方には、この国税庁経験者採用試験は結構「あり」だと考えています。
私も税理士試験に受からなかったら真剣に考えていたでしょう。
(「そんなことは関係ない!私は会計事務所の仕事が好きなんだ!」というのも、それはそれで素晴らしいことだと思います。)
相変わらず、酷い労働環境の会計事務所は数多く存在しますので、国税や他業種に人を取られて少し痛い目にあったほうが良いのではないでしょうか。