税金

インボイス登録はいつまでにすれば間に合うか

いよいよ間近に迫ってきたインボイス制度の導入(令和5年10月1日)。

これまで態度を保留してきた方もいよいよ決断が迫られることになります。

当記事では、インボイス登録すると決めた場合にいつまでに登録手続きをすれば良いかを解説します。

先に結論として私の考えを申しますと、

最低でも7月中にe-taxで提出!です。

 

【インボイス制度に関する解説と登録するかどうかの判断については過去記事をご覧ください】

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税制改正大綱を受けてインボイスをどのように判断するか令和4年12月16日、与党が税制改正大綱を公表しました。 注目のインボイスについてもいくつかの見直しが入りました。 「激変緩...

 

いつまでに申請書を出せば良いか

インボイス制度が開始される令和5年10月1日から登録を受ける場合には、令和5年9月30日までに登録申請書を提出すれば良いです。(元々は3月31日まででしたが、緩和されました。)

《国税庁のインボイスQ&A》

 

現実的にはいつ頃までに出したほうが良いか

9月30日までに登録申請書を出せば10月1日から登録を受けられるのですが、登録申請書を出してから登録通知書が届くまでに一定の期間を要します。

なので、10月1日にインボイスを発行できるようにするにはもう少し早く申請書を出す必要があります。

申請から登録までの平均的な期間は国税庁が公表しており、令和5年6月26日現在で、e-taxで登録申請書を提出した場合は約1ヶ月半、書面提出の場合には約3ヶ月となっています。

国税庁の「インボイス制度特設サイト」で公開されており、月2回更新されています。

 

制度開始が近づいて申請件数が増えると、もっとかかるようになるかもしれません。

e-taxで提出して約1ヶ月半かかるとして、8月15日までに提出して間に合うかどうか(あくまでも「約」ですし、もっとかかるようになるかもしれませんので)。

現実的に考えると、7月中には出しておくほうが良さそうです。

【業種別】実際いつまでに番号が分かれば良いか

小売業等の日々取引を行いレシートや領収書等を発行する人の場合には、10月1日からインボイスを発行することになりますので、10月1日時点で番号が分かっている必要があります。

BtoB等で、一定の日で締めて請求する人の場合には、10月1日以降に行った取引が含まれる請求書からインボイスとなっていれば良いです。

例えば、末締めで翌月初旬に請求書を発行する場合、「9月1日~9月30日分」の請求書は10月に発行しますが、これはまだインボイスでなくても良いです。11月に発行する「10月1日~10月31日分」の請求書発行時までに番号が分かっていれば良いので、少し余裕があります。

逆に、対価を前受けする場合にも、10月1日以降に行う取引が含まれる請求書からインボイスとなっている必要があります。9月に「10月1日~10月31日分」の請求書を発行するとしたら、その分からインボイスとなっている必要がありますので、早めに番号を取得しなければいけません。

間に合わなかった場合の対処

9月30日までに登録申請書を出して10月1日から登録を受けることになったものの、登録通知書が間に合わなかった場合にはどうしたら良いのでしょうか。(例:9月30日に登録申請書を提出、10月1日にインボイス要件を満たさない領収書を発行した)

この場合は、登録通知書が届いてから、インボイスの記載事項を満たした領収書を改めて交付するか、既に発行した領収書に不足する事項を相手方に書面等で通知する必要があります(不足事項を通知する場合には「この領収書に関するものです」と対象を明確にする必要があります)。

《国税庁のインボイスQ&A》

 

このような対応をするのは非常に面倒かつ非生産的なので、登録すると決めたのであれば、間に合うように余裕をもって登録申請書を提出しましょう。

 

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