前回は、個人事業を始めたらこのような書類を税務署へ出しますという話をしました。
今回からは、個別書類の具体的な書き方を解説します。
e-taxでも作成・提出できますが、書き方自体は同じなので、書面で提出する前提で説明します。
まずはダウンロード
開業届の用紙を手に入れるには、税務署へ行くかネットでダウンロードするかです。
↓の国税庁サイトからダウンロードできます。
PDFに入力することもできますし、そのまま印刷して手書きでも良いです。変な吹き出しがついてますが、気にしないでください。
手書きする場合には、1枚目だけ印刷してコピーを控用にすれば良いので、2枚同じことを書く必要はありません。
具体的書き方
○○税務署長とは?
いきなりつまづきそうですが、「〇〇税務署」の部分は今後も関わってきますので、この機会に是非覚えてください。
要は、地域ごとに管轄の税務署が決まっていて、自分の住所を管轄する税務署がどこかということです。
例えば、
- 福岡税務署…(福岡市)中央区・南区
- 西福岡税務署…(福岡市)西区・城南区・早良区 (糸島市全域)
という感じです。
最寄りの税務署とは限りませんので注意してください。
自分の住所の所轄税務署は↓のページで調べられます。
私の場合は福岡市早良区なので、「西福岡」と書くわけですね。
届出書が完成したら、この所轄税務署に提出します。所轄でない最寄りの税務署に出しても回してくれません。
提出日はぶっちゃけ適当で良いです。何日に提出するかわからなければ、年月まで書いておくとか、提出期限の日(開業届は開業から1月以内)を書いておくとか、なんなら空白でも大丈夫だと思います。
納税地とは?
納税地というのは、個人事業者の場合は原則住んでいる住所地となります。
店や事務所の場所を納税地とすることもできますが、基本的には住所を書けば良いです。
ここでいう住所とは、客観的事実によって判断されますので、住民登録は関係なく、自分が今生活の本拠としている場所となります。
次に、住所以外の場所にお店や事務所がある場合には、「上記以外の~」の欄に記入します。
氏名以下はご自身のプロフィールですので、それを書くだけ。印鑑は認印で良いです。
職業は、私の場合は「税理士」と記入しました。「フリーランス」とか「デザイナー」とかそういう感じですね。このへんは気軽に書いて大丈夫です。
屋号は「〇〇工務店」とか「〇〇酒店」みたいなやつです。なければ空白でOKです。
あとはほとんど空白
こちらは、私の実際の開業届です。といっても、ほとんど空白なのがお分かりになると思います。
難しいことがあれこれ書いてますが、ほとんど該当する人はいないので、あまり気にしなくて良いです。
上から順に説明します。
まず、「開業」に○をつけます。「事業の引継ぎを受けた場合は~」の部分は、他の事業者がやっていた事業を引き継いだ場合のみ記入します。
「所得の種類」については、個人事業者ですと「事業所得」になりますので、○をつけます。
「開業・廃業日等」には開業した日を記入します。開業日がいつになるかということですが、お店であればオープンの日となるでしょうし、顧客ゼロで開業するフリーランス等であれば、最初に契約が取れた日とかで良いでしょう。
それから少し飛んで「開業に伴い提出する届出書の有無」ですが、青色申告の届出は出すことをおすすめしておりますので「有」、消費税に関する届出書は基本的に「無」で良いです。
「事業の概要」は、「できるだけ具体的に」とありますが、ザックリどういう仕事をするか書けば大丈夫です。というか、私は思い切り無視してしまいました。
「給与等の支払の状況」は最初から人を雇う場合には記載しますが、雇わない場合には空白のままでOK。
人を雇う場合に、「税額の有無」とかこの辺に書いてあることがわからないときは、税務署や税理士に相談してください。
「源泉所得税の~」については、給与の支払いがない場合は「無」または記載なしで良いです。
提出方法
記載ができたら、提出の準備をします。以下のものを揃えてください。
・税務署へ持参する場合
1.作成した届出書
2.作成した届出書(自分の控え用)
3.マイナンバーに関する本人確認書類
・郵送する場合
1.作成した届出書
2.作成した届出書(自分の控え用)
3.マイナンバーに関する本人確認書類(写し)
4.切手を貼って自分の住所(宛名)を記載した返信用封筒
5.税務署へ送るための封筒
※1 控えは、PDFに入力した場合には控え用(2ページ目)にも同じ内容が入るので、2ページとも印刷すれば大丈夫です。手書きの場合には、記載した届出書をコピーして上の方に「(控)」とでも書いておきましょう。
※2 郵送する場合には、届出書や返信用封筒は折って大丈夫なので、税務署へ送る封筒は長3等の定形郵便の範囲で良いです。
※3 マイナンバーに関する本人確認書類は、↓の国税庁のページでご確認ください。
複数の届出書がある場合には、まとめて提出したほうが手間が少なく済みますので、青色申告の申請書等、他の届出書も作ってからまとめて提出しましょう。
まとめ[細かい書き方よりも出すこと]
個人事業者の開業届出書の書き方を解説しました。
いくつかポイントはあるものの、皆様が思われているよりもザックリ書いて大丈夫です。
不備がある場合には税務署から電話があると思いますので、あれこれ悩むよりも、とにかく書いて出してしまいましょう。